『 無私の日本人 』 |
磯田道史を知ったのは、やはり『武士の家計簿』。原作は読んでないが、のちにテレビでその映画を観、楽しめた。
…秘剣・名奉行・血飛沫・天下盗り・岡っ引き・兵糧攻め・謀反・栄華・忍法… とかは、なんもない(笑)。
江戸歴史を舞台に、経済・財政・数字 …とゆー切り口が目新しかったなぁ。
読みたい、読まなければ、と思い続けながらも、農事にかまけてサボってたこの本だが、これまた映画化とゆー事で(『殿、利息でござる!』5月14日全国公開)、ちかごろイッキに読み耽ってみましたわ。
『黒川郡吉岡宿』『七つ森』『吉田川』『中新井田』… ノッケから我が宮城の馴染みの地名があふれ、すでにワクワク・ドキドキ。
威信ばっかの為政者と・保身のみの重臣と・ことなかれ主義の役人に(現代も変わってないですな(苦笑))、蹂躙され・踏みにじられ…大ナリ小ナリの不埒な権力者に利用される、弱者の『廉恥心』…
だがしかし『無私』が、7年という歳月を経て((明和三年(1766年)春 ~ 安永二年(1773年)春)、とうとう満願成就するに至る。
お金がお金を産み(今の世の、拝金主義たるゲス・トレードなんかじゃなく)、クタビレた人々とサビれた町を潤し・活かす『慈愛の錬金術』とは、さて如何にっ!?
この本は、本当にオモシロイっ!! …のだが、テバナシで喜びハシャイじゃあ、なんか失礼にあたるかもしれん、と。
なぜかとゆーと…宿場町を救わんとする無名の篤志家9人を中心に、田舎のフツーの江戸人たちが決死の思いで藩主に挑んだ、
『実話』なのだから。
こーゆー史実こそね、教科書に載っけてもらいたいもんだわ。
この『穀田屋十三郎』を含む、計3つの実話が収録されてますが、
まず『穀田屋~』を読み終えたらスグ、作者の『あとがき』を読んでもらいたい…感動の余韻が、さらに増す事うけあいます!

穀田屋さんのセリフで〆ましょうかね。
PS.
映画のほうは、とっても素敵なエンターテーメント作品になっておるらしいので、
映画は映画で、オモイキシ笑って・オモイキシ泣いて…でイイのでござる。